釜山「福田村事件」が最高賞を受賞
先日13日に閉幕した釜山国際映画祭で森監督の「福田村事件」が、映画祭の最高賞に当たるニューカレンツアワードを受賞した。同賞はアジアの新人監督が対象となり、これまで多くのドキュメンタリーを手掛けてきた森監督が初のフィクション作品で受賞するという快挙となった。本作は100年前に発生した関東大震災の後、千葉県福田村で実際に起こった虐殺事件を描いた物語。
クロージングセレモニーの受賞スピーチで、森監督は「この映画の重要なポイントは、100年前の帝国主義時代の日本とその日本に植民統治されていた朝鮮です。その二つの国で多くの人に映画を見てもらえたことはとても幸せです。フィクションでは初監督となるこの作品で、この賞を頂けたことにとても感謝しております。」と述べた。日本では9月1日からテアトル新宿やユーロスペースなどで全国公開されている。
今回の映画祭は開催前から運営内でのセクハラや性暴力事件など様々な問題が表面化し、スポンサー離れによる予算削減やチェアマンと映画祭ディレクターが不在という異例の状態で開幕を迎えたが、昨年と比べ上映本数(昨年242本、今年209本)や来場者数(昨年16万人、今年14万人)は減少したものの、座席稼働率(昨年74%、今年82%)は増加となり、多くの混乱が生じたものの映画祭の人気度は引き続き高い水準となった。
【釜山国際映画祭】