ドキュメンタリー「蒸発」クラクフでコンペ入り
第64回クラクフ映画祭が、5月26日から6月6日までポーランドで開催される。ドキュメンタリーと短編に特化した映画祭で、今年の応募総数は約2,500本、上映本数は193本(ワールドプレミア55本、インターナショナルプレミア11本)となった。日本からは、アンドレアス・ハルトマン監督と森あらた監督による日独合作「蒸発」と、泉原昭人監督の「カワウソ」の2作品がコンペ入りしている。上映は劇場と配信のハイブリッドで行われ、劇場は5月26日から6月2日まで、配信は5月31日から6月6日まで。
映画祭の最高賞となるゴールデン・ホーンを競うドキュメンタリー国際長編部門には、「蒸発」を含む15作品がノミネートされており、アムステルダム・ドキュメンタリー国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した、ショガカット・ヴァーダニャン監督の「1489」や、同映画祭で最優秀監督賞を受賞したモハメド・ジャバリ監督の「ライフ・イズ・ビューティフル」、ロカルノ映画祭で批評家週間グランプリを受賞したオハッド・ミルスタイン監督の「モノガミア」など、注目作が並ぶ。
「蒸発」は、借金や人間関係のトラブル、精神的な苦痛など、さまざまな理由から突然姿を消した失踪者を追った長編ドキュメンタリー。第26回テサロニキ・ドキュメンタリー国際映画祭でワールドプレミアを迎え、第39回ミュンヘン・ドキュメンタリー国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。「カワウソ」は、別々の空間に存在する少女とニホンカワウソの出会いを通して、現代社会が犠牲にしてきたものを問う短編アニメーション。札幌国際短編映画祭でワールドプレミアを迎え、ベルリン国際映画祭やアヌシー・アニメーション国際映画祭などに選出されている。
【クラクフ映画祭】