ベルリン国際映画祭 日本から8作品が選出
明日15日から25日までの11日間の日程で、第74回ベルリン国際映画祭が開幕する。今年の応募総数は8,035本、上映本数は191本(レトロスペクティヴなど一部を除く)となり、日本からは工藤梨穂監督の「オーガスト・マイ・ヘヴン」や、黒沢清監督の「チャイム」、石井岳龍監督の「箱男-The Box Man」など8作品が選出された。映画祭のオープニングはアイルランドとベルギーの合作によるキリアン・マーフィ監督の「Small Things like These」が飾る。
映画祭の最高賞となる金熊賞を競うコンペティションには、ピエロ・メッシーナ監督の「Another End」や、ビクトル・コサコフスキー監督の「Architecton」、アブデラマン・シサコ監督の「Black Tea」など、30カ国20作品がノミネートされている。20作品中19作品がワールドプレミア、6作品が女性監督、2作品が長編初監督となる。昨年は、同部門で日仏合作によるニコラ・フィリベール監督の「アダマン号に乗って」が金熊賞を受賞したが、今年は日本からのノミネートはなかった。各部門の受賞作品は24日のアワードセレモニーで発表される。
映画祭の中でも社会派として知られるベルリン国際映画祭。昨年はオープニングセレモニーでウクライナのゼレンスキー大統領がスピーチを行うなど、ウクライナ支持の姿勢を明確に表明し、映画祭のスタンスを国内外に強く示す形となった。しかし、今年はガザ問題に対して明確な姿勢を示せておらず、各所で抗議の声が上がっている。そんな中、12日には映画祭プログラマーやスタッフなどが「即時停戦と人質開放」、「映画祭の公式見解」などを求める独自の声明文を発表している。